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中国出張記





まさに突然であった。

エジプトから帰国して半年ほど。
わしは事あるごとに「早くまた海外へ派遣してくれたまえ」と
会社に言っていた。
はっきりいって、日本での日常業務はタイクツでしかたがなかったのだ。

ある日、出張先に会社から電話がかかってきた。
「中国に行ってもらうことになったよ。2週間ほど」と言うのである。
それはいい。全然OK。
「で、いつからですか?」
「あさって出発」
はい?今、おいら出張先の山形ですけど・・・。あ、あさって?
その会社の「海外部」ってところは、なかなか無茶をしてくれるのだ。
あの・・・VISAとか・・間に合うんですか?
「ああ、もうとっておいたよ」
・・・・ああそうですか。

「で、何をしに行くのです?」
「あのね、現地のエンジニアにメインフレームコンピューターの保守の仕方を
教えてあげて欲しいんだよ。で、自分たちで保守できるレベルにしてあげて欲しいんだよね。それから、そのメインフレームが壊れちゃって動かないらしいから、それを治して、設置環境がどうやらめちゃくちゃらしいもんでそれを調査して欲しいのと、端末が50台あるんだけど半数が動かないらしいから、それも治して欲しいんだよね。」
・・・・・それ全部を2週間でやれ、と?

無茶でしょ?って言われてもわからないしょうが、無茶なんですよ。

「あの、今山形で明日の朝戻るんですけど、とても研修資料など作ってる暇は
ないんですが・・・・」
「あーいいよいいよ。適当で

ホントかよ!しらねぇぞ!
そうしておいらは、山形から東京に帰った次の日、いきなり成田から
中国に向けて飛び立ったのである。


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